2012年6月
拝啓
向夏の候、貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
今回は平成23年度税制改正で改正されました“更正の請求”の期限についてご説明いたします。なお、この“更正の請求”の改正は平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する国税について適用されます。
“更正の請求”とは、申告書を提出した後でその申告内容に誤りがあり、税金を納めすぎていることに気が付いたときに、税金を戻してもらう手続きをいいます。逆に、納めた税金が少なすぎた場合に行う手続きを“修正申告”といいます。
また、税務調査等により税務署が税額を改め、税金が増えることを“増額更正”、税金が減ることを“減額更正”といいます。
これらの手続きには期限があり、その期限が以下のように改正されました。
手続主体 | 手続 | 期限(法定申告期限から) | 改正後の期限 |
---|---|---|---|
税務署等 | 増額更正 | 原則3年(法人税5年・贈与税6年) | 原則5年(贈与税6年) |
減額更正 | 原則5年(贈与税6年) | 原則5年(贈与税6年) | |
納税者 | 修正申告 | 期限なし | 期限なし |
更正の請求 | 原則1年 | 原則5年(贈与税6年) |
改正前では、税務署等が行う更正と納税者が行う更正の請求の期限が異なっており、不公平感がありました。その不公平感を無くすために、税務署等と納税者が行う手続きの期限が、原則5年で一致しました。
また、法人税の純損失等の金額に係る更正の請求ができる期限は7年から9年に延長されました。
この改正では、期限が延長されたほか、“当初申告要件の廃止”、“控除額の制限の見直し”、“「事実を証明する書類」の添付義務化”等の改正も行われております。
申告後に誤りに気が付いた場合には、お早めに担当者までご相談ください。
敬具
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作成者 大西善之