2012年12月
拝啓
初冬の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
平成24年も12月を残すのみとなり、年末調整の時期となります。年末にかけて大変お忙しい時期かと思われますが、資料の準備等ご協力いただけるようよろしくお願いいたします。
さて、今回は払い込んだ生命保険料に応じて所得から一定の金額を控除する制度である生命保険料控除の改正についてお話ししたいと思います。
【生命保険料控除制度の改正】
≪生命保険料控除 控除額≫
所得税 | ||||
---|---|---|---|---|
改正前(旧契約) | 改正後(新契約) | |||
年間の支払保険料等 | 控除額 | ⇒ | 年間の支払保険料等 | 控除額 |
25,000円以下 | 支払保険料等全額 | 20,000円以下 | 支払保険料等全額 | |
25,000円超 50,000円以下 |
支払保険料等× 1/2+12,500円 |
20,000円超 40,000円以下 |
支払保険料等× 1/2+10,000円 |
|
50,000円超 100,000円以下 |
支払保険料等× 1/4+25,000円 |
40,000円超 80,000円以下 |
支払保険料等× 1/4+20,000円 |
|
100,000円超 | 50,000円 | 80,000円超 | 40,000円 | |
住民税 | ||||
改正前(旧契約) | 改正後(新契約) | |||
年間の支払保険料等 | 保険料控除額 | ⇒ | 年間の支払保険料等 | 控除額 |
15,000円以下 | 支払保険料等全額 | 12,000円以下 | 支払保険料等全額 | |
15,000円超 40,000円以下 |
支払保険料等× 1/2+7,500円 |
12,000円超 32,000円以下 |
支払保険料等× 1/2+6,000円 |
|
40,000円超 70,000円以下 |
支払保険料等× 1/4+17,500円 |
32,000円超 56,000円以下 |
支払保険料等× 1/4+14,000円 |
|
70,000円超 | 35,000円 | 56,000円超 | 28,000円 |
※平成24年1月1日以降に結んだ保険契約については改正後(新契約)の適用となります。
変更点は、一般生命保険料控除、個人年金保険料控除それぞれ所得税の控除額が最大で5万円から4万円、住民税が3万5千円から2万8千円となりました。控除できる最大値が減ったことになりますが、上記2つの保険料控除に加えて新しく介護医療保険料控除が加わり3種類とも契約があれば改正前の上限10万円から12万円まで控除が可能となりました。住民税については上限の引き上げはなく7万円となっています。
旧契約及び新契約の両方の契約がある場合には、旧制度、新制度のどちらの適用を受けるか選択可能で、旧制度、新制度でそれぞれ計算して合計することもできます。この場合、最大で所得税4万円、住民税2万8千円、各控除合計で所得税12万円、住民税7万円までの控除となります。
今回の改正で控除額の計算が複雑になり、保険契約の内容によっては有利不利の判断を慎重に行う必要があります。現在の保険契約内容を見直し、また新たに保険に加入する場合などでご不明点等ありましたら、当事務所までご相談ください。よろしくお願いいたします。
敬具
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作成者 武内亮介