2013年5月
拝啓
残春の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨今の自然環境保護の風潮により、太陽光発電設備を設置する人が増えています。今回の事務所便りでは、その太陽光発電設備の所得税法上の取扱いについてお話ししたいと思います。
【太陽光発電設備による余剰電力の売電収入の所得税の取扱い】
消費電力を上回る発電をした場合、余剰電力を電力会社が買い取る制度があります。この場合の売電収入は所得税の課税の対象となります。また、設備を設置している建物の状況によって所得の区分が変わり、建物が自宅の場合は雑所得、事業用の店舗などの場合(自宅兼店舗を含む)は事業所得に、賃貸物件の場合は不動産所得となります。なお、給与所得者で年末調整を行っている人は、給与所得以外の所得金額の合計額が20万円以下の場合確定申告を行う義務がありませんので、売電収入から必要経費を差し引いて20万以下であれば課税されません。
【太陽光発電設備に係る補助金について】
太陽光発電設備設置の際、国や地方自治体から補助金が出る場合があります。この補助金は所得税法上、原則として一時所得に該当し課税対象となります。
例外として、所得税法では補助金の額を課税対象となる収入に含めないことができる規定があり、適用を受ける場合は確定申告を行う際に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付する必要があります。この規定を適用した場合、太陽光発電設備の取得価額から補助金の額が控除されます。結果、毎年の減価償却費が減少し、経費が減るため所得金額が増加することになります。
太陽光発電設備の税法上の取扱いについてお話ししましたが、今後住宅の新築の際などに設置を考えている方の参考になればと思います。当事務所では来年の確定申告を見据えて、各お客様に合わせた対策等をご提案させていただきますので、ご不明点、ご質問等ありましたらご連絡下さいますようお願いいたします。よろしくお願い申し上げます。
敬具
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大西会計事務所
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作成者 武内亮介