2014年8月
拝啓
梅雨明け宣言が出され、いよいよ本格的な夏の到来ですね。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
今回は、企業が加入すべき厚生年金について、昨今の現状とともに触れていきたいと思います。
【厚生年金の加入状況】
厚生年金に加入することにより、事業主及び従業員は厚生年金保険料を毎月納めなければなりません。その負担を逃れようと厚生年金に加入していない企業が増え、現在では約80万社が厚生年金に加入していません。これにより、日本年金機構は所得税を源泉徴収している企業に関する国税庁のデータを基に、加入逃れをしている企業の特定を行っているそうです。早ければ来年度にも加入していない企業へ(1)文書や電話で加入を要請、(2)訪問で加入を要請、(3)年金事務所への来所を要請、(4)訪問して加入を指導、(5)立ち入り検査をして強制的に加入手続きをさせる という流れで対応していく見込みです。また、立ち入り検査を拒むと6ヶ月以下の懲役か50万円以下の罰金が科されることもあります。
【厚生年金が強制的に適用される事業所及び従業員】
- 常時従業員を使用する株式会社や特例有限会社など法人の事業所(役員のみの場合も含みます。)
- 常時5人以上の従業員を使用する個人事業所
この場合の従業員とは、臨時使用人や季節的業務に使用される人を除き、厚生年金保険料の被保険者とならない70歳以上の人を含め、労働時間及び労働日数が就業規則などに定める一般社員の概ね3/4(一般では週30時間)以上ある人をさします。
- 厚生年金保険に加入している企業の常時使用される70歳未満の者
- パートでも1日の所定労働時間又は1ヶ月の勤務日数が、一般社員の概ね3/4以上の者
(注)2016年10月からは3/4(30時間)の部分が1/2(20時間)に変更されるようです。従って厚生年金に加入すべき企業及び従業員が増えることとなります。
概要程度ではございますが厚生年金についてご説明させていただきました。これを機に、厚生年金への加入を御検討ください。尚、組合健康保険等に加入していない事業所は同時に政府管掌の健康保険に加入することになります。宜しくお願い申し上げます。
何かご不明な点等がございましたら当事務所又は担当までお問い合わせください。
敬具
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作成者 加瀬裕士