2019年4月
拝啓
春風の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。先日弊所の関与先の税務調査の中で印紙税について指導がありましたので、これを機に印紙税について取り上げたいと思います。契約書や領収書を作成すると必要となるのがこの印紙税です。工夫次第で節約することができますのでご紹介いたしたいと存じます。
印紙税の節約法
1.消費税は税抜表記が得
収入印紙の金額は契約書の記載金額で判断されます。たとえば請負契約の際に契約金額が同じでも「請負金額1,000万円、消費税80万円、計1,080万円」や「請負金額1,080万円(税抜金額1,000万円)」のように消費税を税抜表記することで、税法上の記載金額は1,080万円(印紙1万円)ではなく1,000万円(印紙5千円)と判断され、結果印紙税の節約になります。
2.ペーパーレス化が得
同じ取引でも契約書をPDFなどの電子データで作成しメールで送信した場合、印紙は必要ありません。契約内容の合意についてはメール本文において確認できるようにする方法や電子署名をする必要がありますが、契約書を電子データで統一すれば印紙代の大幅な節約となります。
3.保管するだけならコピーが得
契約を締結するにあたって、契約書を2通作成し契約者双方で保管することは珍しくありません。しかし、この場合作成した2通について印紙を貼る必要があります。単に片方が控えとして保管しておきたいという場合は、2通目をコピーにすることで印紙は不要となります。ただし、「この写しは原本と相違ない」などの文言が記載されている場合、印紙が必要となりますのでご注意ください。
収入印紙の貼り忘れに関する注意点
税務調査で印紙の貼り忘れを指摘されると本来の印紙税額に加え、その2倍の罰金が発生します。貼り忘れに気づき自己申告した場合、罰金は印紙税額の1割に抑えることができます。
収入印紙は2〜3年ごとに軽微なデザイン変更がされており、2018年7月には偽造防止加工を施した収入印紙へと一新されました。そのため、印紙を貼り忘れた昔の契約書に、当時のデザインにはない印紙を張ると、税務調査の際に指摘されますのでご注意ください。なお、変更されたからといって古いデザインの収入印紙が使用不可になるわけではありませんので、安心して契約書等にご使用ください。
何かご相談等ございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
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作成者 堀川一輝