事務所便り

墨田区の税理士・大西会計事務所事務所便り → 配偶者居住権制度について

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2019年12月末

拝啓

歳末の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。今年も残すところわずかとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。いよいよ2020年4月から相続税改正により「配偶者居住権」制度が開始されます。今回は配偶者居住権についてご紹介いたします。


亡くなった方の配偶者のための救済制度

これまでの相続税制度では、配偶者が自宅を相続すると法定相続分(配偶者1/2、子1/4、子1/4などの配分割合)を満たしてしまい、配偶者の手許にお金が残らないということがありました。そこで、自宅の権利を居住する権利(配偶者)と所有する権利(子など)に分け、配偶者の相続する分の評価額を下げることで、配偶者にも金銭を相続できるようにし、生活が苦しくならないようにした制度です。


配偶者居住権を設定するには

配偶者居住権を設定するためには以下の要件を満たす必要があります。

  1. 亡くなった方の配偶者であること
  2. 相続開始時に亡くなった方の所有する建物に配偶者が居住していること
  3. 遺産分割や遺贈、裁判所の審判などにより配偶者居住権を取得すること
  4. 法務局にて建物の配偶者居住権の登記を行うこと

配偶者居住権を設定する際の注意点

配偶者居住権を設定する上で以下のような注意点があります。

  1. 配偶者居住権は、権利自体を売買・贈与・相続などをすることができません。
  2. 建物を亡くなった方と配偶者の方以外の第三者と共有で所有している場合は、配偶者居住権を設定することができません。
  3. 配偶者居住権を合意解除した場合、建物の所有権を持つ方へのみなし贈与扱いとなり、贈与税が発生します。(配偶者が亡くなり配偶者居住権が消滅した場合は、所有権を持つ方への税負担はありません。)

配偶者居住権を設定するために相続発生前、発生以後にやっておきたいこと
  1. 建物の所有者を夫婦以外の共有者がいない状態にしておく
  2. 相続が発生した場合、ひとまず配偶者居住権を設定することで税負担が軽くなります。

    注:居住権と所有権に分かれているため、売却などをする際に支障が生じる可能性はあります。

  3. 配偶者居住権を設定した場合、忘れずに建物の登記をすること

何かご不明点等ございましたら、お気軽にご連絡ください。
最後になりましたが、皆様のますますのご健勝と貴社のご繁栄をお祈り申しあげます。

敬具

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アルカイースト5階
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作成者 堀川一輝