事務所便り

墨田区の税理士・大西会計事務所事務所便り → 自筆証書遺言について

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2020年3月

拝啓

早春の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。日々暖かさが増していきますが、世間では新型コロナウィルスの感染が拡大しており、皆様につきましても不安な日々をお過ごしかと思います。くれぐれも外出時の手洗いうがい等の予防をして、ご用心くださいませ。
さて昨年1月から、相続法について約40年ぶりに大きな見直しがされているのをご存じでしょうか。


40年ぶりの改正

相続に関するルールは1980年(昭和55年)に改正があって以来、大きな改正はされてきませんでしたが、平均寿命が延びる等で高齢化が進み社会経済の変化している時代背景に対応する為に、平成31年度から令和2年度にかけて、段階的に相続法の改正が行われています。具体的には被相続人の死亡により残された配偶者の生活等の配慮する観点から「配偶者居住権の創設」「婚姻期間20年以上の場合の贈与の優遇措置」、相続での争いを防止する為、自筆証書遺言の利用促進する観点から「自筆証書遺言の方式緩和」「法務局における遺言の保管制度の創設」がそれぞれ大きな改正となっております。今回はこの中でも「自筆証書遺言」についてご説明させて頂きます。


自筆証書遺言とは?

遺言の作成には大きく分けて、普通方式の遺言と船舶事故などの緊急時のみ作成できる特別方式の遺言があります。そしてよくドラマ等で見受けられる遺言は普通方式の自筆証書遺言といわれるもので、証人もいらず誰にも知られずに作成でき、費用が掛からないメリットがあります。しかし改正前は遺言全文、署名、日付に加えて遺言に添付する財産目録(財産の全てを記入する)の全文を手書きした上で押印することが要件で、財産が多く長文を手書きすることが難しい高齢者などにとっては利用が困難でした。この要件を緩和すべく行われた改正により、平成31年1月13日以降に作成された遺言書は本人の自筆で手書きの必要がありますが、財産目録は印字でも紙面の一枚づつに署名・押印すれば有効になり、遺言者からの依頼があれば専門家などの第三者が作成することも可能になります。


自筆証書遺言作成の留意点

改正により便利になった自筆証書遺言ですが、作成年月日の記載が「〇年△月吉日」であったり、改正前に作成していると無効となる恐れがありますのでご留意ください。また、作成した自筆証書遺言の正当性を高める為には、遺言書本文と財産目録の各紙面に押印する印鑑を同一のものにすること、遺言書本文と添付する財産目録を綴じて割り印をすること等、法律上は必要がありませんが差し替えや偽造を疑われないよう配慮をすることをお勧めします。
今回は「自筆証書の方式緩和」についてご紹介しましたが、より確実な方法として公証役場で作成する等の方法もあります。相続に関しては早めの準備が相続時の争いを避ける予防となりますので、この機会に見直しをしてみてはいかがでしょうか。ご不明点がありましたらお気軽にご相談ください。

敬具

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作成者 薮下 智