事務所便り

墨田区の税理士・大西会計事務所事務所便り → 業績悪化による役員報酬の改定

事務所便り

2020年4月

拝啓

陽春の候、いかがお過ごしでしょうか。4月になりまして、春らしい陽気になり桜も咲いておりますが、今回の騒動により、甚大な被害を受けている経営者の皆様におかれましては、大変なご苦労をされていることと存じます。この未曾有の状況による負担を少しでも軽くするために、社長や役員の給与を減額したいと考える方も少なくないと思います。そこで今回は、役員報酬の減額について見ていきます。


役員報酬とは?

役員報酬とは、取締役や執行役、監査役などに支払われる給与のことをいい、金額を決める際には株主総会等にて承認を得ることが必要となります。社員に支払われる給与とは大きく区別され、条件を満たしていない場合は税務上の経費にはなりません。


役員報酬を経費にするには?

基本的に、次の条件を満たすことが必要となります。

  • 役員報酬の支給時期が毎月、毎週等、一か月以下の一定の期間ごとであること
  • 各支給時期における支給額が一定であること

この2つに該当する役員報酬を「定期同額給与」といい、期中の恣意的な利益調整を防ぐ為のルールとなっており、例外を除きこれに反する場合は損金にできないことになっています。


コロナウイルスによる業績悪化は改定理由になるのか?

上記のように役員報酬を経費にするには条件がありますが、例外が設けられております。それは役員報酬を決定時には予想できなかった業績悪化により、利害関係者(債権者、取引先)との関係上、減額せざるを得ない場合は認められています。今回のコロナウイルスの影響による、売上の激減は、予期できない業績悪化として考えられます。将来の税務調査に備えて、試算表を作成し保存しておくこと、他に議事録の作成をすると良いでしょう。また変更する際には、担当者にご連絡ください。
先にご紹介した、役員報酬の他に、事前に税務署へ届け出る必要がある「事前確定届出給与」(役員への賞与を支給する際等)についても、業績悪化による減額は認められる可能性もありますが、税務署への届出が必要になります。


終わりに

今回の役員報酬の変更は、あくまで客観的事実として、業績の悪化が認められた場合になります。単に利益の減少や業績目標に達しない等の理由では、否認される恐れがありますので、ご留意ください。
厳しい状況が続きますが、事務所一同、微力ながらお力添えさせていただく所存です。ご不明点、ご相談ありましたら、弊所までお気軽にご連絡ください。

敬具

東京都墨田区錦糸3丁目2番1号
アルカイースト5階
大西会計事務所
TEL03(3626)2035
FAX03(3621)3843
URL:http://www.ohnishikaikei.jp
作成者 薮下 智

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