2021年2月
拝啓
余寒の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。2021年になり、早くも1か月が経ちました。寒い日が続いておりますので、体調を崩さぬよう暖かくしてお過ごしください。さて、今月は2月16日(火)から始まる、令和2年度分個人の確定申告に関しての青色申告等の税制改正の変更点等をお伝え致します。
青色申告特別控除額と基礎控除額の変更
今回(令和2年度分)の所得税申告から、青色申告特別控除額がこれまでの65万円から55万円に引き下げられます。しかし、所得税の基礎控除額の引き上げに伴い(令和2年度分から38万円→48万円へ※合計所得2,400万円以下の場合)合わせた控除額は変わりません。さらに、55万円の青色申告特別控除の要件に加えて「e-Taxによる申告(電子申告)」又は「電子帳簿保存」を行うと元年分に引き続き65万円の青色申告特別控除を受けることができます。したがって、新たな要件も満たしている場合の合計控除額は113万円になり、前年よりも10万円多く課税所得から控除されます。
青色を受けるための要件
青色申告特別控除の適用を受ける為の主な要件は、@不動産所得又は事業所得を生ずる事業を営んでいること、A所得に係る取引を複式簿記により記帳していること、B記帳に基づき作成した決算書を確定申告書に添付し、当該控除額を記載して期限内に提出すること。以上の3つの要件をクリアすると55万円の控除を受けることができます。要件をクリアしない青色申告者は10万円のみ課税所得から控除されます。
おすすめは電子申告
そして控除額10万円アップのカギを握る要件の「電子申告」と「電子帳簿保存」ですが、どちらかを行えば適用となります。まず電子帳簿保存ですが、メリットとして領収書のデータ保存が可能になる為、紙媒体で保管(原則7年間保存)するスペースが削減できることや紙のように劣化せず、紛失することもないことが挙げられます。しかしこの制度を適用するためには、経理精算システムやクラウドサービスを導入し、税務署へ承認を得ることが必要で、環境が備わってない方には電子申告をお勧め致します。電子申告とは、オンラインで確定申告できるサービスでPCやスマートフォンから、申告書や決算書を作成し申告を行うことができます。ちなみに弊所での申告は会計ソフトによる電子申告で行っております。
医療費控除は領収書不要に
医療費控除の改正により、領収書の提出が不要となりました。5年間の保管が義務付けられていますが、健康保険組合等から送付される医療費のお知らせを確定申告書に添付することにより、保存も不要になります。
ひとり親控除
令和2年度申告分からの新たな課税所得控除として婚姻歴のないシングルマザー・シングルファザーに対する「ひとり親控除」が加わりました。これにより要件に該当すれば35万円の控除となります。
【中小企業者への支援措置についてのお知らせ】
新たなコロナ給付金についての情報です。経済産業省から、飲食店との取引がある中小企業者への支援金(法人40万円・個人20万円)が発表されています。現段階では3月から支給開始を行うとのことなので、該当業種の方はお早めのご対応をお勧め致します。弊所でも各種給付金の申請を行っておりますのでご相談ください。
敬具
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作成者 薮下 智